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大徳醤油さんに学ぶ「しょうゆはどのように作られているか。」
なるほど! おいしいの素 2016.09.07
毎日使う慣れ親しんだ「しょうゆ」。どのように作られているかご存知ですか? 今回はしょうゆ作りのお話。知ればなるほど! 今度しょうゆを買うとき、見るポイントががらりと変わりますよ。
しょうゆ作りの今と昔。
「ほんの数十年前まで、家でしょうゆを作る人が結構いました。」と語る、兵庫県養父市の大徳醤油4代目、浄慶(じょうけい)さん。創業から昔ながらの天然醸造を守り続けています。「正直、手間がかかってもうかりません。でも次世代に伝えていくことが未来への財産になると信じています。」
四季の変化の中で、微生物がしょうゆを醸す。
「昔ながらの天然醸造・長期熟成にこだわる大徳醤油では、杉の蔵に住み着いた微生物に時間を委ね、微生物の活きる力(発酵)によって奥深い味わいを作ります。ですが現代の主流は、コストを下げるために温度や酵母培養を加えて早く作る製法です。」
知っていますか? しょうゆに使われる国産大豆の割合
原材料に注目すると、流通しているしょうゆの97%は外国産の大豆使用。しょうゆに使われる国産大豆の割合はたったの2.4%(※)なんです。大徳醤油が国産にこだわるのは「農薬や遺伝子組み換えへの問題意識だけでなく、もし日本が食糧危機に陥っても自分が食べるものは国内で作ってほしいという願いからです。」と語る浄慶さん。(※平成25年度農水省調べ)
脱脂大豆か、丸大豆か。
さらに、外国産の大豆で作ったしょうゆの8割は、生産性を向上させるために、大豆から油分を抜いた脱脂大豆で作られます。脱脂しない大豆で作るのが、よく耳にする「丸大豆しょうゆ」。油分のために作りづらいと言われていますが、それこそが昔ながらのしょうゆ作り。大徳醤油も、もちろん丸大豆しょうゆを作っています。
自宅で「丸大豆しょうゆ」を作ってみませんか?
「自分で食べるものを自分で作ってほしい。微生物の生命力に耳を傾けてほしい。」そんな浄慶さんの熱い思いから生まれた「丸大豆でつくる 手づくりしょうゆキット」。初心者用なので子どもも簡単に作れて、本来のしょうゆ作りを身近に感じることができます。もちろん原材料はすべて国産です。「作っているうちにかわいくなって」と育つ過程を楽しまれる方や、小学校の教材にと買いに来られる先生もいるとか。
日本人のしょうゆの消費量は、ひとり年間2リットル。このキットで半分の1リットルは作れる計算です。しょうゆひとつで料理の世界がぐんと広がるので、ぜひ体験してしょうゆ本来の味に出会ってください。
omiso:食べることが大好きな食のプランナー。料理上手になりたいけど、まじめに料理教室に行くのはなんだか違う。市販の本も結局読まない。レシピ通りに作るだけでなく、応用方法をもっと知りたい……!