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ヱビス味噌本舗 貝嶋慶治さんに学ぶ「手づくり発酵食品の魅力」
なるほど! おいしいの素 2016.08.30
甘酒やみそ、塩麹などの発酵食品が静かなブーム。手軽な既製品は便利ですが、手づくりはまた違ったよさがあります。そんな手づくり発酵食品の魅力を、熊本で約90年みそ屋を営む「ヱビス味噌本舗」の貝嶋慶治さんから教えていただきました。
手づくりみそには、「育てる」という楽しみがある
「みそづくりというのは不思議なもので、仕込む人によって微妙に味が変わるんです」と語る貝嶋さん。人の皮膚には常在菌と呼ばれる有用菌がいます。有名な乳酸菌・ビフィズス菌もその一種。手づくりをすると、その人の手の常在菌がみその風味を育てる役割をはたしてくれます。
つまり「その人のみそになる」ということ。しかも、人が常にいるところで熟成させているみそは発酵が早いのだそうです。みそづくりにはまさに「育てる」という楽しみがあり、生きた調味料。作る人や作る年、作る季節で味が変わるのも魅力のひとつです。
手づくりなら、素材にこだわり生きた甘酒をつくることができる
ヱビス味噌本舗では甘酒を昔ながらの製法でつくっています。「飲む点滴」でブームの甘酒は、米と米糀、水だけで作る発酵食品。その甘さは発酵の力で引き出された米本来の味です。「シンプルだからこそ品質にこだわって、生産者の顔が見えるものだけを使います」と貝嶋さん。
甘酒をつくるのは簡単に見えて温度管理がむずかしく、雑菌に弱いのでしっかりとした衛生管理も必要。市販のものの中には、流通のために火入れをしていたり、添加物が入っていることも。手づくりなら素材にこだわり、火入れせずに生きたままの甘酒を作ることができます。
発酵食品を日常に取り入れる楽しさ
毎日取り入れたい発酵食品。簡単な活用メニューを貝島さんが教えてくださいました。例えば「とまとみソース」。トマトソースにみそを合わせて作るパスタやピザなどにぴったりのソースです。甘酒はヨーグルトや豆乳、牛乳と割ってデザートとしていただく。その他、麦みそ+マヨネーズで野菜を付けていただくみそディップや、塩麹を豚ロースに塗りこみ、寝かせてから焼くトンテキもいいですね。
omisoがプランナーをつとめる『素材の学校、そ。』では貝島さんが監修した「とまとみソース」を作りながら学べる手づくりキットを販売しています。キットに含まれるみそはヱビス味噌本舗製。その他の材料も国産や熊本県産にこだわっています。作ってみると今後もみその活用機会が増えそうなレシピです。ぜひお試しください。
omiso:食べることが大好きな食のプランナー。料理上手になりたいけど、まじめに料理教室に行くのはなんだか違う。市販の本も結局読まない。レシピ通りに作るだけでなく、応用方法をもっと知りたい……!